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日本システムデザイン学会 2020年度の研究会

    NPO法人日本TRIZ協会主催 第四回「TRIZ懇話会」

    オンラインによる「TRIZ懇話会」の第4回目は、2019年のTRIZシンポジウムにて「あなたにとって良かった企業発表」で第1位を獲得した宮西克也様をお招きし、TRIZシンポジウムでの発表内容をご講演頂きました。続いて企業内でのTRIZの活用方法について皆様とディスカッションを行いました。

    題目「人心を束ね組織を元気にする370名全社員TRIZ ~2度の大ワークショップへの挑戦~」
    開催日時2021年4月10日(土) 15:30〜17:00(zoom会議)
    発表者(株) パナソニック システムネットワークス開発研究所 宮西克也氏
    発表内容概要皆さんは何の目的でTRIZを活用していますか? 設計上の課題に直面した技術者の課題解決?それとも戦略的な知財開発?そしてその議論に関わるメンバ規模はどのくらいでしょうか? 私たちの会社は,2008年の会社設立20周年を機に国内3地域会社(仙台・金沢・浜松)を経営統合で1社化し新たなスタートを切りました。そして2018年には会社設立30周年を迎えるに至りました。私たちは、その節目となる2008年と2018年の2回、TRIZ思考の新しい可能性にチャレンジして成功を収めました。それは「全社員が入り交じる、アイデア出しを主眼としないTRIZ」です。具体的には,全社員が一堂に集まってワイガヤ議論で入り交じることでの組織活性化・意志結集を狙った大規模なワークショップを企画し、実施しました。

    2020年度 日本システムデザイン学会 第4回定例研究会

    題目「技術者教育を通じ考えたデザイン視考」
    開催日時2021年3月12日(金) 17:30〜19:00(zoom会議)
    発表者葛生 伸(くずう のぶ)
    略歴東京都立大学理学部物理学科卒業(昭和53年)後,同大学大学院理学研究科博士課程修了。東洋曹達工業(株)(現 東ソー (株)) ,山口日本石英(株),日本石英硝子(株)勤務を経て,平成8年福井大学工学部応用物理学科助教授,平成18年教授,令和3年3月定年退職予定。
    発表内容概要12年間の企業経験の後,大学教員を25年務めてきました。当初は,物理系学科の専門教育を担当していましたが,学生時代から問い続けてきた「世の中で充実しながら生きていくためには,どのように学んだらよいのか?どのように生きたら良いのか?」に答えるため,技術者教育,(エンジニアリング)デザイン教育,キャリア教育,初年次教育,学内外での様々な教育・啓発活動をしてきました。キャリア教育の中では,「自分自身の棚卸しと将来のシナリオ作り」の大切さを強調してきました。自分自身の振り返りや充実している人たちの生き方を見ていくと,適切な目標設定と,予定通りに行かない場合の目標の再設定が大切だと思うようになりました。ある意味で,ワークデザインの目的展開や機能除去と代替案の提案を半ば無意識に行っているように思います。デザイン視考の立場ではじめてシステム設計をしたのが,大学受験勉強のやり方でした。学生への導入教育では受験勉強のシステム設計を例にあげ,身近な商品の開発経緯の目的展開を通じてその後の展開を考える方法を話しています。授業での,失敗例を含めて学生との考え方の違いに悩みながら実践してきた事例を紹介します。

    日本企画学会 特別講演

    日本システムデザイン学会と連携しております、日本企画計画学会の特別講演が下記日程にて開催されました。

    題目「開発者が語る『切れちゃう瞬冷凍AI』誕生秘話 ブレイクスルー思考」
    開催日時2021年2月13日(土)午前10:00〜12:00(Zoom会議)
    発表者三菱電機株式会社 執行役員 住環境開発センター長 平岡利枝
    発表内容概要ブレイクスルー思考を使って冷凍冷蔵庫の新商品を作り出そうという『ブレイクスループロジェクト』に参加された当時静岡工場の女性エンジニアが、『切れちゃう瞬冷凍AI』という大ヒット商品を開発した。現在は同社の家電製品開発の責任者を務めている。この商品は、解凍時間を経ずにすぐに肉や魚が調理でき、食事や食後の団らん時間が長く作り出せるというコンセプトのもと開発された。今回はその現役の開発者が直接語る。

    2020年度 日本システムデザイン学会 第3回定例研究会

    題目「自閉症者が納税者になれるシステムを目指して」
    開催日時2021年1月15日(金) 17:30〜19:00(zoom会議)
    発表者北浦 啓一(きたうら けいいち)
    略歴地方公共団体に勤務を経て、早稲田大学ビジネススクールに進学
    学習塾・予備校経営の後、現在児童発達支援教室の経営と共に不動産関連事業を運営中。
    1989年 早稲田大学システム科学研究所・BS課程修了
    1999年 産能能率大学大学院経営情報学修士修了
    発表内容概要自閉症者のライフステージを考えるとき、行政による早期発達支援教育が存在しない就学前と、就労支援の方法論が自治体によってばらつきがある。就学後の就労問題は、保護者のストレスとなっている。本稿では、これらの不透明感払拭の提案として、就学後の生活の場として期待されているグループホームをはじめ、経済活動、生きがいの手段としての就労の現状、問題点を調査、提示し、未来志向の新たなシステムへの提案を行いたいと考えている。そのために、公的、私的データ、文献はもとより、インタビュー等のフィールドワーク、システム思考法を駆使して、望ましく、実現可能なシステムの提案を行う。

    2020年度 日本システムデザイン学会 第2回定例研究会

    題目「ビジネスモデル作成におけるシステム創造思考法の活用」〜修士論文「Photo Sharing Platformにおけるマーケティング戦略」を用いた考察〜
    開催日時2020年11月13日(金) 17:30〜19:00(zoom会議)
    発表者藪野 美芽(やぶの みめ)
    略歴出版社、広告代理店を経て、オリコングループにてWeb マーケティング&プランニング事業部次長としてオリコン顧客満足度ランキングの立ち上げに携わる。実務と並行して2009年より社会貢献活動を主とする公益社団法人東京青年会議所に所属。会員拡大、政治、教育の部門で担当理事を務める。2014年不動産事業で独立の後に業界の不条理さや起業の難しさを感じ、2016年MBAへ進学。在学中の妊娠・出産を経て現在、実体験を元にした分野での起業も準備検討中。
     2019年 早稲田大学経営管理研究科修了
     2019年 9月より早稲田大学商学研究科 後期博士課程在籍
        (専攻:マーケティング戦略)
    発表内容概要近年、ビジネスモデルはスタートアップに不可欠な考え方としてクローズアップされており(Mass et.al,2017)、実業界だけではなく学会での注目も高まっている。ビジネスモデルの策定における「分析、発想、試作、検証の創造サイクル」(井上,2019)の中で、特に分析、発想の部分でシステム創造思考法が有効であると考え、修士論文研究の中で検証した。研究においてPhoto Sharing Platformが、スキルシェアの分類で、価格設定の高額さや納品数制限など、必ずしも消費者に寄り添っているとは言えない現状について、システム創造思考法を用いて分析した。具体的に、写真撮影ビジネス、写真撮影の分析及び、ターゲット層へのデプスインタビューにおいて機能展開を用いた。本発表では、システム創造思考法が、ビジネスモデルの策定に有効であることを提唱すると共に、マーケティング戦略立案の為の思考法に応用できないか、今後の研究の方向性について述べる。

    2020年度 日本システムデザイン学会 第1回定例研究会

    題目健康経営推進につながる「つながらない権利」
    開催日時2020年7月10日(金)17:00~19:30(Zoom会議)
    発表者山本靖 Yasushi Yamamoto & Associates 代表
    略歴商社勤務, 起業を経て, 現在はYasushi YAMAMOTO & Associates代表として, 日米の中小企業ならびにベンチャー企業の社外役員,顧問として経営管理に従事. 著書には「デバイス古今東西」(CQ出版),「VHDLデザイン・テクニック」(電波新聞社)その他,慶應義塾大学卒, 博士(学術)早稲田大学
    発表内容概要「健康経営」は, 従来の健康管理を経営の戦略的な視点で捉え, 従業員の健康管理に対してより積極的に投資していく経営です. この健康経営を推進していく上で重要なポイントは, 働き過ぎを防止することにより, 働く人々の健康を守ることにあります. しかし, 昨今のITの技術革新によって, 瞬時のコミュニケーションの実現ならびに生産性の向上が達成されると同時に, 従業員のワーク・ライフ・バランス(WLB)が変化しつつあります. また直近の新型コロナ・ウイルスの影響が一層その拍車をかけています. つまり, 従業員はいつ, どこで, どれだけ働くかということが変容しつつあります. 特に, WLBのオンとオフの境界線を明確化することが困難になってきています. その理由は, 従業員は, WLBのオフの状態であったとしても, パソコンやスマートフォンやスマートウォッチ上の電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を介して上司や顧客から直接つながったままだからです. 場合によっては, いつでも, どこにいても, 仕事上の電子メールやSNSの読み書き, 報告書の作成, 折返し電話などのコミュニケーションに迫られます. このWLBのオンとオフの境界線を明確化させるため, 「つながらない権利」が議論されています. 従業員が勤務時間のオフの時に仕事の電話やメールそしてSNSなどへの対応を拒否できる権利のことです. 本研究発表では, 健康経営というフレームワークの中につながらない権利をルール化した場合の課題, しなかった場合の課題について整理します. そして,つながらない権利が欧米で法整備化されつつある現状を文化思想的観点から考察します.